PXGは、センターシャフトのマレット型パター「PXG Hot Rod ZT™」を2月13日発表した。真のゼロトルクデザインを搭載し、ストローク中のフェース開閉を抑制。安定した再現性を求めるゴルファー向けのモデルである。

ゼロトルク設計で、ストローク中のねじれ力を最小限に
Hot Rod ZTパターの核は、ストローク全体を通してフェースをターゲットラインに対してスクエアに保つという設計思想である。重心をシャフト軸のわずか下に配置することで、フェースの開閉を引き起こすねじれ力を最小限に抑制。ゴルファーの操作を最小限にしつつ、一貫性と安定性を狙うという。

高MOIマレットと精密削り出しで、寛容性と安定性を追求
ヘッド形状は、構えた瞬間にボールを美しく縁取るモダンな高MOIマレットデザインを採用。6061アルミニウムから精密削り出し加工されたヘッドにより、質量配分を正確にコントロールしている。さらに、4つの調整可能なソールウェイトと内部に配置された高比重タングステンにより寛容性と安定性を向上。ヘッド重量は340gから410gまで調整可能で、好みのフィーリングやストローク傾向に合わせたセッティングが可能としている。

ピラミッドミルドフェースで、スムーズで安定した転がりへ
インパクト性能を高めるため、PXG独自のピラミッドミルドフェース構造を搭載。ゴルフボールのディンプルとより安定して接触するよう設計されたアグレッシブな形状により、スムーズで安定した転がりを実現するとしている。インサートパターのようなソフトな打音を保ちながら、削り出しフェースならではのフィードバックと操作性も兼ね備えるという。
ハンドファースト設計で、実測ロフト6度でも“3度パターのような打ち出し”を狙う
オンセットホーゼル構造と一体化したハンドファースト設計により、自然と理想的なハンドポジションを作り出す設計である。実測ロフトは6度ながら、ハンドファーストの構えによって実質的には従来型の3度パターのような打ち出し特性を搭載。さまざまなパッティングスタイルで、安定した初速と転がりを促進するとしている。

開発者コメント&製品情報
PXGデザインエンジニアのマット・アンドリュース
「Hot Rod ZTは、視覚的な安心感とインパクト時の安定感、その両方に徹底的にこだわって設計しました。ボールを包み込むようなヘッド形状から、打感や打音に至るまで、重要な場面でゴルファーが期待通りのパフォーマンスを発揮できるパターを目指しています。」
仕様と販売情報
アライメントは、細長いサイトラインを備えた「SL2」を用意。
右利き・左利きの両仕様で、直営店、正規販売店、公式オンラインストアで販売する。
参考価格:81,400円(税込)
PXG公式HPはこちら▶
おまけ・ゼロトルクにまつわる備忘録
ゴルファーの間では、すっかりお馴染みになった「ゼロトルクパター」ですが、はじめて耳にする方のために、いくつか補足をしたいと思います。
・ゼロトルクの概念自体は、10年以上前からあり、メーカーでは導入されていた事例もあった。
・トピックになったのは、アダム・スコットやルーカス・グローバーといった有名プロが使用し、2023年にツアーで勝利を重ねたことがきっかけ。
・「パターのトルク(ねじれ)」を視覚的に証明するための専用器具「Revealer(リヴィーラー)」を使い、従来のパターがいかにねじれるかを可視化したことも加えて、アマチュアの間でも急速に普及した。
改めて、ゼロトルクについておさらいすると、
・シャフト軸のすぐ下に重心(CG)を配置することで、CGからシャフト軸に対するトルク(ねじれの力)の発生を排除。これにより、ストローク全体を通してフェースがターゲットラインに対してスクエアな状態を保ちやすくなる。
では、何故早々にパターにこの理論が導入されなかったのでしょうか。
従来のパターの重心がシャフトの延長線上から外れている(主に後ろ側やヒール側にある)設計なのは、
・ショットと同じ「感覚」で打てるようにするため(重心距離)。ドライバーやアイアンなど、他のすべてのクラブも「シャフトの先にヘッドがある」構造だからで、他のクラブと同じように、適度にフェースが開閉するリズムで打てるため、ショットとパットのフィーリングを統一したいゴルファーに好まれたため。
・パターはもともとアイアンから派生して進化した道具。 昔はL字型など「木の枝の先にヘッドがついた」ようなシンプルな形が主流。その伝統的な形状を維持しつつ性能を高めてきた結果、多くのパターで重心はシャフト軸から外れた位置に留まっている。
・「振り子」の安定性を高めるため(深重心)。多くのパターは、重心をフェース面よりも後ろ側(深い位置)に配置。理由は、重心が後ろにあるほど、ヘッドが直進しようとする力(慣性モーメント)が強くなるため。 打点が多少ズレてもヘッドがブレにくく、ボールを真っ直ぐ押し出す「助け」をしてくれるため。
このように、ゴルフの道具はパターだけではないことにも起因されそうですが、理論的にパターにおいて当てはまるのがゼロトルクなので、「私は、上手く使い分けできそう」とか「パターに仕事をしてもらおう」と思っているゴルファーの方は、1度試打してみてはいかがでしょう。それにしても近年のゴルフギアの進化は目覚ましいものですね。







